そう言って すたすたと去っていくその背中は なんだか小さく見えた。 かつてはりささんと人気を二分していたと聞いていたが、 それも今は昔になっているらしい。 「りえさん」 私は彼女の後ろから声をかける。 振り返った彼女は やたらに顔のほりが深く、そしてなぜだかやたらにがたいがよく、 お節介で意地悪でけちで食いしん坊で、そして―。 「あなたは私の憧れでした。 りささんと…同じくらいに」 振り返った彼女は ぷいとすぐ顔を戻した。 「バカ言ってんじゃないよ…」 語尾は微かに 震えていた。