「博貴を預けてから博貴のことばかり考えるんや。確かにあの時は博貴を憎いと思った。懐いてくる博貴が…甘えてくる博貴が…。血の繋がりもないのに。何でこんなにあいつに振り回せられなあかんねんって。そもそも何で俺は博貴を弟にして引き取ったのか。色々な考えが頭をめぐるねん。」 頭を抱えこむ隆平。 「せやけど憎む気持ちと同じくらい。いや。それよりももっと博貴を愛してるんや。愛してる…。」 声を殺し泣く隆平。 何も言わず黙って隆平の背中を抱きしめるサク。