誰もいない公園。
寂しそうな後ろ姿。
ベンチに座り空を見上げる隆平。
   

「あの。」


隆平の肩を叩くサク。
   

「あっ。いつかの。看護士さん」
   
「覚えてくれてるんや?せやけど仕事中やないんで看護士ってやめて下さい。サクって言います。あっ。今、男みたいな名前やと思ったでしょう?」


悪戯に笑うサク。
   


「そんなこと。」
   
「嘘つくのヘタやな?顔に書いてある。」



顔を触る隆平。
隆平の横に腰を下ろすサク。
   

「うちの親。どうしても男がほしかってん。跡継ぎにな。せやけど生まれてきたんは女。当然のように男の名前しか考えてなかった親はしかたなしに名前だけを男にしたわけやな。って何自分のこと語ってるんやろな。」


笑うサク。



「今日、博貴君は?」



前フリの話しから本題へと入るサク。