息をきらし走る章大。
泣き疲れたのか博貴の微かな声が廊下に響く。
扉の前にしゃがみこみ携帯を握り締める隆平の姿。
   


「ハァハァハァ。」




息を整える章大。
顔をあげる隆平。
その顔は涙でぐしょぐしょに濡れている。
   


「携帯。きるなって言うたやろう。」




隆平を抱き寄せる。
   







「うわああああああ。」








泣き崩れる隆平の背中をポンポンと軽く叩く。
   




「限界に陥る前に呼べや。アホやな。」





隆平と目線を合わせる章大。