苦しい呼吸。
びっしょりと身体を濡らす汗。
タオルケットを握り締める隆平。
   


「椎名。」



叫び起き上がる隆平。
乱れた呼吸。
頭を抱え込む。
   

「兄たん?」


ドアの前でたたずむ博貴。
   

「どっかいちゃいの?」


隆平のベッドへと近づく。
   



「来るな。大丈夫や。どっこも痛くないから。」




怒鳴る隆平。
怯えた顔の博貴。
   



「ごめん。大丈夫やから。」



ベッドから起き上がると博貴を寝室から出す。
   

「兄たん。兄たん。」


必死でドアを叩く博貴。
   



「うるさい。」




怒鳴る隆平。
泣き叫ぶ博貴。
   





「頼む。今は一人にしてや。」






頭を抱え呟く隆平。