「空?どないしてん?」 優しく空へと問いかける忠義。 「泣いてちゃわかれひんやろ?」 「…忠義…の声…聞きたくなってん…。」 涙声。 ぼっそりと呟く。 「嘘つけ。何かあったんやろ?」 心配そうな忠義の声。 「何でバレちゃうんやろな…うちな…うち、お父ちゃん…お父ちゃんを…。」 声を詰まらせ泣く空。 しばらく続く沈黙。 「…お父ちゃんを…殺してもうた…。」 震えた声。 嗚咽だけが漏れる。 受話器越しに凍りつく忠義。