青空。
心地良い風。
屋上から花を放り投げる。
円を描くように落ちていく花。
寝転がり空を見上げる。
   


「ただいま。」



呟く忠義。  
両手を空へと伸ばす。
   



「遅なってごめん…。怖かってん。ここに来たらお前が死んだこと思い知らされるやろ…やから…。」




言葉を詰まらせる。
   


「時間がかかってしもうたな。会いに来るのが遅なってごめんな。」



目を閉じる忠義。
左手を空と手を繋ぐかのように握り締める。
   




「これからはずっと一緒や。」




一粒の涙が頬をつたう。
   



「一緒やで。」




涙を拭う。