バタバタ。 慌しい三つの足音。 「博貴。」 お墓の前でたたずむ博貴の姿。 「良かった。無事で。」 安心した表情の忠義と章大。 「お兄たん。」 隆平の元に走ってくる博貴の頬をとらえる手。 パッシン。 辺りに響く頬を叩く音。 叩かれた頬に手をあて涙を浮かべる博貴。 「隆平。何してんねん。」 驚く章大と忠義。 そんな章大の声さえ耳に入っていない隆平