太陽の光。 じりじりと汗をさそう。 額を何度も腕で拭い。 左手には道端で摘んだ草花を大事そうに握る。 「ママ。」 椎名の名前が刻まれた墓石の前に座る。 「一人で来たんやで。お兄たん調子悪いんやって。」 枯れてる古い花を花瓶から抜き持って来た草花を供える博貴。 目を瞑ると両手を合わせる。 「お兄たんが博たんのこと嫌いになりませんように。」 呟く博貴。