「 これ、飲む? 」
そう言って晴はあたしに缶ジュースを渡した。
缶に書かれてる絵柄はリンゴで、林檎ジュースだと分かった。
「 …………ありがと 」
下を向いたままそれを受取りギュッと握り締めた。
晴はあたしの頭をポンポンと叩き、腕を引っ張って階段に座らせた。
「 一樹に電話して、俺ら先に帰るって言っとくわ 」
「 えっ、晴は残ってていいよ!? 」
「 まだそんな事言ってるわけ? 」
晴に迷惑をかけないようにしようと思ってやった行動すら、晴に迷惑をかけている。
自分が駄目すぎて、悔しくて、また涙が出てくる。

