もうこのままずっと晴と話せず、忘れられていくのかなあ。
あたしの気持ちもいつか薄れてなくなんのかな。
「 おい 」
あーあ、今になって晴に今までの“ありがとう”を言いたくなってきた。
「 おい、馬鹿 」
「 何よ……… 」
人が悲しみに浸ってるのに気安く話しかけてこないでよ。
しかも馬鹿よばわりですか。
だるい頭を上げ、睨むようにして目線を上げた。
……………………え。
「 何してんだ? 」
「 晴………… 」
晴の目線がこっちに向いている。
久しぶりに晴の視界に入った気がする。
「 何でこんなとこにいんだよ 」
「 ………流されちゃって 」
「 は?お前馬鹿かよ 」
「 …………馬鹿……だね 」
なんでだろ、晴が近くに居るってだけでこんなに安心するもんなんだ。
晴は呆れた顔をしてるのに、今はそれですら嬉しい。

