あいつの犬〈短編〉




 


結局、最後まで人に流され近くにあった神社の階段腰をおろした。


考えが回らない。いっその事、意識を無くしてしまいたいけど、ここでは流石に無理。



こんな時、晴が側に居てくれたらなあなんて、叶いもしない夢を見ているあたし。
でも、晴が隣にいてくれないとやっぱり心細いし寂しい。それに怖い。



「 あー、また泣きそ 」



昼間っから悲しみに浸り、立ち上がる気にもなれなくなった。