「 お前顔赤いぞ?熱あんじゃ無えの? 」



晴は心配そうにあたしの顔を覗き込み、おでこを触った。

それに過剰反応してしまったあたしは「イヤッ!」と言って晴の手を振り払ってしまった。


………………あたし何してんの?




「 あっ、ごめ… 」



なんて、今更謝って遅いのは当たり前。



「 そんなに嫌? 」

「 違う、そうじゃなくて今のは… 」

「 今のは、何? 」



晴は低い声であたしに言った。
何も言い返せないあたしに晴は溜め息をついた。



「 これ、直ったから 」

「 え…? 」



新しい携帯を手に持ち、冷たい視線をあたしに送る晴。
あたしはただそれを見つめるしか出来ない。



「 今までお疲れ 」



そう言って立ち去る晴の背中を見て思った。
全て終わった気がする。

犬が終わったんじゃなくて、幼馴染みが終わった気がする。