Act.8


窓を開けると、冷たい風があたしを優しく包んだ。

風と一緒に煙草の香りも逃げていく。

白いシーツを引きずりながらあたしは鏡の前に立った。

鏡の向こうであの人があたしをじっと見つめて微笑んでいる。

あたしはあの人に向かって


「好きだよ」


と言った。