「もうすぐ夏休みね。二人は何か予定でもあるの?」 二人が入れたコーヒーを受け取ってあたしは答えた。 「あたしは補習」 クロも答える。 「俺も補習」 七瀬先生が少し首を傾げる。 「二人とも変な子ね。せっかくの夏休みが補習で潰れちゃうのになんでそんなに嬉しそうなの?」 あたしとクロは目を合わせた。 お互いに小さく笑う。 きっとあたしとクロは 同じ気持ち。 学校に来れば好きな人に会えるから。 クロは七瀬先生に。 あたしは────。