あの時、私はどうしても夢を捨てられなかった。

それが生徒たちのためで、自分のためであると思っていたから。

けれど、それは違っていた。

私がいつまでも夢を追いかけていられたのは、武が私を支えてくれたからだ。

武はずっとこの仕事を全面で応援してくれていた。

ずっと相談に乗ってくれた。

ずっとそばにいてくれた。





そうだ。


私は今まで、武に守られていたのに。






ーー武。


涙がとめどなく溢れる。



なにが自分のため、だ。


私は自分のことしか考えていなかった。

彼がいなければ、私はなにもできなかったのに。