冷蔵庫からミネラルウォーターの入ったペットボトルを取り出すと、クロはそのままらっぱ飲みをした。 「俺のほうこそさっきは言い過ぎてごめん」 「えっ…」 黒々とした瞳と目が合う。 「狂ってるなんて言ってごめん」 「クロ…」 あたしはなんとなく嫌な予感がした。 黙って俯くクロのその表情は以前のあの弱々しい顔に戻っている。 「クロ」 あたしはクロの腕を取る。 「これからどうするの」 クロは答えない。 不安が募る。 「まさか…」