居酒屋はコンビニから、駅向かって200メートル程歩いた場所にある。

入口に「居酒屋」と毛筆で書いてある大きい提灯が、2個垂れ下がっている。


障子調の自動ドアを潜ると、その外見とは裏腹に内装やメニューは若者向けで、客の大半は学生と若いサラリーマンだった。

私達は空いてる席を見付け、そこに座った。


「順子と居酒屋なんて、初めてだよね~」

「そうだね、意外と付き合い長いのにね」


アルコールを飲むよりもお腹が空いていたので、一品料理を色々と頼んだ。

そうは言っても、とりあえず酎ハイで乾杯はした。


雑談をしながら料理を食べ、1時間程過ぎたアルコールが程良く回った頃、涼子が私に尋ねてきた。

「ねえ、さっきの電話…

聴いた事がないけど、着信の曲って誰?」

「ああ、あれ?

う―ん…
地元のグループの曲。色々あって、私の携帯電話にだけ入ってるの」


「ふ―ん…」


あれ?

何か今、違和感があった様な…まあ良いか。


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