これだけの事を、わざわざ呼び出して伝える事には理由があった。
なるべく大事な話は、電波を使いたくなかったのだ。
でも私は、小夜子の事はそれ程心配はしていなかった。
小夜子は1人でも何とかする筈だからだ。
でも、智子は…
ふと時計を見ると、もう17:50を指していた。
そろそろ行かないと、バイトに遅れてしまう!!
挨拶もそこそこに、店の前で小夜子と別れ、私は走ってコンビニに向かった。
この時間帯、コンビニは何かと忙しい。遅れると涼子に迷惑がかかる。
全速力で走り裏口から中に入ると、涼子が涼しい顔で座っていた。
「あんた、最近いつもギリギリじゃない?」
「い、良いじゃん。
とりあえず、間に合ってるし…」
呼吸を整えながら、とりあえず言い返しておいた。
その時、私の携帯電話が鳴った――
.



