「でもね…
圏外になったのは、ここなのよ。駅前で圏外になるなんて変じゃない?
何か空気が『パリパリ!!』ってなった瞬間に、圏外になった様な気がするんだけどな…」
「え…?
私も朝それあったよ!!
何か空間が歪んだっていうか…
その時私の携帯も、なぜか圏外になったよ」
2人共、何か嫌な感じがしていた…
順子は去年事件に巻き込まれて、生死の境を彷徨った。
小夜子は一昨年――
両方共、今とおなじ6月下旬だった…
「ごめん、ごめん!!
2人共待った?」
小夜子が駅の向こう側から、小走りで私達の所に近付いて来た。
「ううん、私達も今来たところだし…」
小夜子は俯いて、息を切らせながら言った。
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