◇小夜子◇



サトシがいる訳がないか…


鞄を置き、赤いTシャツと白い短パンに着替えると、1階の居間に下りた。


母が帰宅するのは19時前後だから、それまでは家に1人きりだ。

テレビをつけて、ソファーに寝転んだ。

小枝子がケータイ小説を辞めて、もう2年が過ぎようとしていた…

双子だけに、自分にも小枝子の様な、才能があるのではないかと以前から考えていた。


ふと手元にあった携帯電話で、ケータイ小説サイトを開いた。

携帯電話は機種変更はしたものの、元々小枝子が使っていたものだ。

登録サイトはお気に入りから削除はしたものの、退会手続きはしていなかった。


ハンドルネーム【友理】は、小枝子が使っていた名前…


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