私はやっとの思いで、電車に乗った―


一体何がどうなっているのか…

次々に起きる不可解な事に、頭の中が全く整理出来なかった。


混乱したまま思い出すのは、なぜかあの夢の景色だった…



翌日――

8:00に登山同好会のメンバーは、北山駅前に集合する事になっていた。


7:40高山駅発の電車に乗れば、十分に間に合う。

私は駅のホームで
電車を待っていた。


土曜日のこの時間は、ホームに人影は疎らだった。

その時、またあの耳鳴りがしてきた!!


キィィィ――…


同じように、空間が歪む様な気がした。

私には分かる…
これは圏外だ―!!


あ!!

反対側のホームに、あの老婆の姿が…


ちょうどこちらのホームに電車が入って来て、その瞬間に耳鳴りが止んだ。


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