私達が帰宅する頃には、既に18時を過ぎていた――



「ただいま…」


玄関の扉を開くと、3人の母親が座って待っていた…


「仕事…
行ってない…の?」


順子の言葉に、3人は一斉に堰を切った様に泣き始めると、裸足のまま玄関に飛び下り各々の子供を抱き締めた。


「痛たた…
怪我してるんだから、痛いってば!!」





その後――

何も憚る事が無くなった3人の母親は、姉妹として付き合う様になり…

私達3人も、今更ながら従姉妹だという事が分かり一層親密になった。



智子は市民の為に働く決意を固め、あんなに嫌がっていた公務員試験を受ける気になっている。



順子は母と和解し、母の再婚相手である外科部長の父とも上手くいっているみたいだ。

実の父の連絡先も教えてもらい、たまには会いに行っているらしい…



私はあの一件で、罪の無い人達が危険な事に巻き込まれる哀しみを知り…

少しでもあんな事が減る様に、弁護士を目指している。


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