私はゆっくりと立ち上がると、納骨堂を出て境内に向かった――



智子は…


順子は…



本堂の入口に辿り着き境内を見ると、境内の真ん中に智子が俯せに倒れていた!!

私は背中を押さえながら、智子の元に急いだ。


「智子…ねえ、智子!!」


「な…なに……

さ、小夜子…
い…生きてるの…?」


「智子――!!」

私は智子を、思い切り抱き締めた。


「い、痛い…
痛いってば……」


「智子…
順子は…順子はどこ?」

智子は黙って、本堂の下を指差した。


指が差し示す方向を見ると、本堂の床下に順子が仰向けに倒れていた!!

今度は順子の所に、急いで向かった――



「順子…
大丈夫なの順子!!」


順子の手が、しっかりと私の手を掴んだ。

「……小夜子」


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