金曜日――
いつもの様に、登山同好会のミーティングがあった。
明日に迫った、竜王山登山の詳細伝達が主な内容だ。
間違っても長谷部君が隣りにならない様に、少し遅めに会議室に行った。
長谷部君は奥の窓側に座っていた。彩香は、まだ来ていない様だった。
私は入口付近の、前に座った。
「中崎先輩!!」
すると、長谷部君が私の隣りに移動してきた!!
「なぜ私の近くに来るの!!」
思わず強く言ってしまった。
彼は私の態度に少し戸惑いながらも言った。
「い、いえ…
入ったばかりで何も分かりませんし、中崎先輩が一番話し易いので…」
「お疲れ様で~す」
そこに彩香が入って来た!!
端から見ると、仲良く話している様に見える筈だ――
彩香は冷たい視線で見下ろす様にこちらを見ると、無視して後ろの席に歩いて行った。
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