智子の母親は一瞬断ろうという表情をしたが、私と順子もいるので渋々了解した。


それから私達は直ぐに準備をして、私の自宅に向かった。

外に出ると、雨は路面を音を立てて流れるる程激しくなっていた…



高山駅を過ぎ、踏切りを渡った。

車だと智子の家から自宅までは、多少渋滞していても10分程度で到着する。


車は私の自宅前に、ゆっくりと停まった――

母はまだ帰宅していない様だ…


「せっかくだから、おばさんも上がって行って下さい。

用事が済むまで、少し時間がかかりますから…」

私は智子の母親を、理由を付けて強引に自宅に招き入れた。


智子の母親をリビングのソファーに座らせると、冷蔵庫から麦茶を出しテーブルの上に置いた。

「すいません、今お茶しかなくて…」



順子はリビングの隅で、電話をしていた――


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