◇小夜子◇



「小夜子、
何をしようとしてるの?」

順子が身を乗り出して聞いてきた。


私は2人によく分かる様に、順を追って説明した。

当然、2人の協力も必要だった。


薄暗くなった外は、静かに雨が降り始めていた…



18時過ぎ――


「ただいま」

智子の母親が、市役所から帰宅した。

私達が揃っているのを見て少し動揺していたが、平静を装って声を掛けてきた。
「い、いらっしゃい…
珍しいわね、うちで3人が揃っているなんて。

何か飲み物でも用意するわね」

智子の母親は、私達にアイスコーヒーを出してくれた。


それから雑談を皆でした後、時計を確認すると19時を過ぎていた…

私が智子に目配せをすると、智子が話しを始めた。

「ねえ母さん。
今から小夜子の家に、どうしても行かないといけない用事があるんだけど…

雨が降ってるし、3人共小夜子の家まで車で連れて行ってくれない?」


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