5分程外で待っていると、倉橋さんが封筒を持って出て来た。
「これ、お願いね」
「何ですか、これ…?」
疑問に思った私は、倉橋さんに尋ねた。
倉橋さんは私の質問に答える訳でもなく、ニコリと微笑むと言った…
「役に立つ時が必ず来るから…
伝えておいてね『常に持ち歩く様に』と」
「はあ?」
私はよく意味が理解出来なかったが、封筒を受け取り鞄に入れると、駅に入った。
駅の時計を見ると、まだ15時過ぎだった。
今日はいつもと比べかなり早い…
これなら、16時前には自宅に着きそうだ――
高山駅を出ると、朝より空が低く、濃い雨雲が流れていた。
これは雨になるかも知れない…
私は足早に帰宅した。
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