あ、あれ…?
「ねえ小夜子、電話繋がらないよ?
変だなあ、ちゃんと電波も受信してるし…」
小夜子の表情が、一気に険しくなった。
「順子、それってもしかして――」
「そ、そうか…圏外!!」
ちょうどその時、私達の横を都野市方面から北山市街地に向かうタクシーが通り過ぎた。
私達はそのタクシーを、全力で追い掛けて止めた。
「す、すいません…
高山駅の近くに全速力で!!」
妙な胸騒ぎがする…
2人でいる私達より、1人きりの智子を狙う可能性が高い!!
こんな簡単な事を考えていなかったなんて、私は馬鹿だ…
3人で行動するべきだった!!
タクシーは、北山市街地に入った――
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