何の反応もない…
もう一度、今度は小夜子が呼びかけてみる。
「こんにちは!!」
「何か用ですかの?」
突然背後から声がして、私達は驚いて振り返った。
そこには小柄な黒い袈裟姿の住職が立っていて、私達を眺めていた。
「あ、あの…
朝倉 舞子さんの墓に、お参りに来たのですが…」
「朝倉さん?
確かに、本堂の裏が門徒の墓地にはなっているが…
朝倉さんの墓はここには無いぞ」
住職は思わぬ言葉を口にした。
無い…?
私が戸惑っていると、住職が話を続けた。
「あ、いやいや…
墓が無いと言っているだけで、遺骨は納骨堂に保管してある。
こちらに来なされ…」
私達は本堂にある、納骨堂に案内された。
.



