私達は新館に戻ると、住民課を柱の陰に隠れて覗いた。
少し奥の席に座っている人物は、間違いなく智子の母親だった!!
母に、今度は智子の母親…
私は何か、凄い関連性を感じていた。それは当然、小夜子も同じだった。
「ねえ、どうしようか…?」
小夜子が困惑した表情で、私に問い掛けてきた。
小夜子の気持ちはよく分かるが、折角ここまで来たんだし…
「とりあえず、聞くだけ聞いてみようよ…」
お互いの顔を見合わせると、同時に頷いた。
私は住民課の受付に歩いて行くと、担当の若い女性職員に言った。
「中崎さんを、お願いしたいんですが…」
若い女性職員は、直ぐに智子の母親の所に呼びに行ってくれた。
智子の母親は、私達を一度自分の席から確認すると、カウンターの横から出て私達の所にやって来た。
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