自宅の前に、誰か立っている――



さっきの老婆だ!!

なぜ…
ついさっき、あの場所で追い抜いたのに?

それに、なぜ私の家の前に…


私が自宅に向かって走って行くと、老婆は振り向き、ニヤリと笑うと家に入って行った。

少しの差で自宅前に着いて玄関を見ると、老婆の姿は消えていた…


念の為、家の周囲を何周もしたが、どこにも姿は無かった。


何かの見間違いか?
それとも…



その日、それ以降特に変わった事も無かった。

あの老婆は、一体何だったのだろう…



翌日の夕方――

登山同好会の、定例ミーティングがあった。

今週土曜日の、竜王山登山についての説明がメインだった。


早目に行き適当に席に着いていると、長谷部君が隣りに座ってきた。

「お疲れ様です」


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