翌朝――

私はシャワーを浴びると、着替えてダイニングに行った。


「おはよう」

私の普通に言った挨拶に、母一瞬戸惑ったが直ぐに笑顔で返してきた。

「おはよう」


わだかまりが、すっかり消えた訳ではない…

全てを納得して、受け止めた訳でもない。


ただ、母の想いと愛情だけは十分に分かった…



朝食を一緒に食べ終わると、母は病院に出勤した。

私は食器を片付けると服を着替え、小夜子と待ち合わせをしている高山駅に向かった。


今回の事で、一番精神的に疲弊しているのは智子だ。

とりあえず北山市役所には、智子には知らせず小夜子と2人で行く事にしていた。


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