「順子~本当よ~」
泥酔して意味不明な言葉を言ってる人の話など、聞きたくもなかった。
しかし、言葉は否応無しに耳に入ってくる…
「だって…
記憶を抜いたのもね…
本当の目的は、あなたの腫瘍を取り除く手術をする為だったんだから…」
え――
ど、どういう事?
「1年前…
偶然あんな形で使う事になったけど、あなたずっと頭が痛かったでしょ?
健康診断で、脳に腫瘍が見付かってたのよ~
しゅ・よ・うがね…」
私が脳腫瘍だった?
確かにそう言われれば、頭痛が酷かった様な気がする…
「その手術をするにしても…
もしかしたら、記憶が全て無くなってしまう危険性が高くてね~
かわい~娘を失う訳にいかないから、ほぼ完成していた研究中の技術を使って記憶を保存しておいたって訳よ…」
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