「その患者の母親が、毎日の様に病院に押しかけては『娘を返せ!!と、それはもう凄い剣幕で怒鳴っていました。
その度に私が呼ばれましたから、よく覚えています。
確か病院に来ても仕方ないから、市役所に訴えに行くと…
そう言ったきり、病院には2度と来ませんでしたけどね。
さてと、仕事しないと――」
警備員のおじさんは、壁に向かってそこまで話すと、何事も無かったかの様に、廊下をまた奥へと歩き始めた。
私達はおじさんの背中に、深々と頭を下げた…
「順子!!
やっぱり、カルテの患者と私達の事は何か関係があるのよ!!」
私は順子の方に振り向いて言った。
「そうだね!!
明日、北山市役所に行って訴訟の事について調べてみよう!!」
私達はついに、これまでの事件を解決する糸口を掴んだ!!
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