私が呼び止めた警備員は、60歳前後のいかにも長年勤務している雰囲気のおじさんだった。
「あの…
おじさんは、いつからこの病院の警備をしてるんですか?」
私の突然の質問に、少し戸惑っていたが答えてくれた。
「25年になりますよ」
25年――!!
それでは、18年前にはこの病院にいたんだ!!
私の中で、少し希望の光が見えてきた様な気がした。
「少しお話を聞きたいんですけど、良いですか?」
「ええ、私に分かる事であればお答えしますが…」
私は遠回しな言い方をせず、率直に質問した。
「18年前に、この病院で何か事件はありませんでしたか?
どんな些細な事でも構いません。教えてもらえませんか?」
おじさんは当然の様に怪訝な表情をして、私に尋ねた。
「それを聞いて、一体どうするんですか?」
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