小夜子と昨日のテレビの事を話しながら駅まで行くと、直ぐに来た電車に乗った。
そして高山駅で降りると。小夜子とは改札で別れた。
今日は時間があるし、少し北山市の情報を集めよう。
そう思いながら、私は駅前の道を自宅へと歩いていた。
駅からの道を半ばまで帰った時、突然あの耳鳴りがしてきた!!
耳が痛くなる程の高音でキリキリと頭の奥に響き、目の前が歪んだ気がした。
もしかしてと、携帯電話をポケットから取り出すと、やはり圏外になっていた――!!
な、なぜ?
不意に音が止まり、携帯電話の電波表示も通常に戻った。
今のは、一体何だったのだろう?
その時――
何か人の気配を感じ前方に視線を移すと、道端に人が蹲っていた。
80歳前後の老婆の様だった。
私は慌てて駆け寄ると、声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
.



