それから直ぐに、玄関が開く音がした。
「小夜子…
小夜子、大丈夫!!」
私は力を振り絞り、声を出した。
「じゅ…順子……こ、ここ……」
玄関からリビングに、足音が近付いて来た。
「さ、小夜子!!」
安心したのか、私はそのまま意識を失った…
うん…?
眩しい……
気が付くと、私はリビングのソファーの上で横になっていた。
起き上がろうとすると、全身に激痛が走った――
「い、痛た…」
全身が打ち身と擦り傷で、悲鳴を上げていた。
一先ず、私は助かったんだ…
「さ、小夜子…大丈夫?」
「ありがとう…
順子が来てくれて助かったよ」
礼を言う私を、順子は目を潤ませながら見詰めていた。
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