た、助かった…の?
「何をそんな所で、寝転んでるの?」
私は周囲の様子を確認すると、ゆっくりと起き上がった。
「あ、いや何でもない…
母さんこそ何?」
「何か大きな声がしてたし…様子を見に来ただけ。
それと、コンパスと分度器を借りにね」
私は今の出来事を話そうかと思ったが、止めた。
折角立ち直ろうとしているのに、こんなホラー映画の様な話をして心配を掛けても仕方がない。
それにしても、あれは一体誰なのだろう?
私には全く見覚えがない女性だった。
そもそも、50歳前後の人に関わる事自体が、私には有り得ない。
この夜、もうあの女性が現れる事は無かったが、私は不安と疑問で寝付けず、朝を迎えた…
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