私は入口から少し入った所で、小夜子を探して学食内を見回していた。


「中崎先輩!!」

声のする方を見ると、また長谷部君が立っていた。

「お昼、御一緒しませんか?」


余りに突然な事で、さすがにかなり驚いた。

「私は友達と食べる事にしてるから…」

「そうですか…」


背後から、殺気に満ちた冷たい視線を感じた。

ハッとして振り返ると、いつもと違い険しい表情の彩香がこちらを睨みつけていた――


「彩香――!!」

私は手を振ったが、彩香は無視して学食の人ゴミの中に消えた。


「智子、何してんの?」

その時、小夜子が私を見付けて呼びに来た。

「あ、うん…何でもない」


「それでは…」

長谷部君は頭を下げると、その場から離れていった…


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