薄暗かった道がすっかり暗くなった頃、ようやく智子の自宅に着いた。
「智子…大丈夫?
今日はゆっくり休まないとダメよ…」
「うん…大丈夫、分かってるよ」
ちょうどその時――
スーパーに買い物に行った、智子の母親が帰ってきた。
そういえば智子の母親なんて、私は会った事がない…
「こんばんは」
玄関に歩いて来る智子の母親に、私は挨拶をした。
「こんばんは」
軽く挨拶を返してきた。
智子がすかさず私を紹介する…
「彼女が小夜子。
私の親友よ、時々話をするでしょ?」
私は再度頭を下げた。
「さ、小夜子ちゃん…
あ…ああ、智子を宜しくお願いしますね…」
「いえこちらこそ」
顔を上げて、智子の母親を見た。
あれ…?
この人どこかで……
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