「でも…
それと、私の話は別でしょ!!」

私はつい大声になった。


竹下さんは俯いて、首を横に振った。

「順子さん…
あなたは確かに、実験的に記憶をデータ化して保存されたかも知れません。

それは否定しませんが…


ですが…
1年前のあの日、あの事件であななは、脳に深刻なダメージを受け、本当は記憶を全て失っていたんですよ。

その状態を救ったのは、部長の研究成果そのものなんです!!」


そ、そんな話…
私は聞かされていない――

例えそうでも…


「例えそうだとしても、私は父の記憶を奪われたんですよ!!

許せる訳が――」

「いえ…
私はその現場にいましたが、記憶を消して欲しいと依頼したのは、あなたの実父です。

『どうせ記憶をダウンロードするならば、自分の記憶と共に、夫婦仲が悪くて娘を悩ませた記憶も消して欲しい…』と」


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