小枝子は佐知子に向かって、ゆっくりと歩き始めた…
佐知子は明らかに動揺して、後退りして行く――
「ま、まさか…
そんな事をすれば、あなたも消滅するのよ?」
「順子…
私ね、確かに最初は皆を恨んだわ。
だけど、母は私を生かそうとしただけだし、小夜子は私の可愛い双子の妹だし…
それに智子は気弱で、何も出来なかっただけだしね。
そして順子、あなたは私の一番の理解者だった…
私が箱に入れられた後、時々来ては話をしてくれた事…
本当に嬉しかったよ」
小枝子は顔だけ私の方を向くと、優しく微笑んだ。
「さ、小枝子…」
「智子は2人が助ける。小夜子は順子が助けるでしょ?
だったら、順子は私が助けないとね」
小枝子は佐知子の手を、強く掴んだ。
「や、止め――!!」
佐知子が必死に、手を振りほどこうとしている。
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