私はそこまで言うと、母の横をすり抜け自室に駆け込んだ――

そして部屋に鍵をかけると、ベッドの上に倒れ込んだ。


「順子…
ねえ、順子……」


扉の向こう側から、母の声がしている。


私は布団を被ると、聞こえないフリをした。

すると耳元で、囁く様に声がし始めた…

「そうよ…
あなたを騙し、あなたから記憶を奪ったのよ。

恨みなさい…
恨みなさい…」


私は布団を払い除けて立ち上がると、部屋を見回しながら叫んだ。

「うるさい…
うるさいうるさい!!」


「あははは――!!」

どこからともなく聞こえる笑い声が、部屋に響き渡った。



笑い声が消えた後、私は仰向けになってベッドに寝転んだ。

もう、何がどうなっているのか分からない…


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