◇順子◇



神社の石段をゆっくりと下り、首塚の前を通り過ぎると舗装された道に出た。

既に薄暗くなった街に、街灯が所々点き始めていた…


私は茜さんの肩を抱き、高山駅への道を歩いて行った。


茜さんは見るからに、罪悪感と後悔の念で憔悴しきっていた。


茜さんの行動は、許される事ではない。
私なら許さないかも知れない…


でも、智子が許すならば、私が茜さんを責める訳にはいかない…



それよりも、今は茜さんの精神状態の方が気掛かりだ。

このまま1人で帰してしまって、大丈夫だろうか?



高山駅が見えてきた…


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