◇順子◇



相変わらず、小夜子は足が早いな…


智子…
どうか、いつもの智子のままでいて!!



あの日、智子を探していた私達の目に映った光景…


首塚の前に、猫や犬の首がいくつも並んでいた。

血が滴り真っ赤に染まった祠…あんな光景は、もう見たくない!!


そして、智子を最後に境内で見付けた時、血に染まった真っ赤な服で私達の方に向かって笑った――



智子…
もっとあなたに、気を配るべきだった。



私は智子の自宅に続く、最後の角を曲がった。


「小夜子!!」

小夜子は、俯いて首を横に振った。


では一体智子は、どこに行ったの?



その時、突然茜さんが口を開いた。

「首塚じゃないの?」


首塚…
確かに、その可能性はある!!


「小夜子、高山の首塚に行こう!!」



あれ……

なぜ茜さんが、首塚の事を?


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