「どうしたの?
元気無いみたいだけど…」
「い、いえ、そんな事ないですよ!!」
茜さんは少し心配そうな表情で、私を見ている。
確かに一晩中泣いていたし、普通の顔ではないのだろう…
10分余り駅で立ち話をしていると、突然携帯電話が鳴った。
着信を確認すると、小夜子からだった。
こんな時間帯に電話なんて、何か起きたに違いない――
慌てて電話に出ると、智子が行方知れずになっているとの事だった!!
智子には、中学時代のあの事がある…
「直ぐに高山駅に引き返すから、そこで待ってて!!」
電話を切ると、茜さんに戻らなければなくなった事を告げ、急いでホームに戻った。
「私も一緒に行くよ!!」
茜さんも、私と一緒に行ってくれるの?
「ありがとうございます!!」
私は頭を下げて礼を言うと、2人で駅のホームで電車を待った。
茜さんはホームで、どこかに電話をしていた。
早く戻らないと、大変な事になる――
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