私は頭部に受けた打撃により、玄関先に倒れ込んだ。

同時に、頭の中で聞いた事がない様な大きい音がした――


薄暗い場所から明るい場所にいきなり出た時の様に、徐々に鮮明になる…



気が付くと、頭部への打撃が止んでいた。

恐る恐る顔を上げると、そこには小枝子が立っていた!!



「さ、小枝子…
何故こんな事を……」

私の言葉を無視するかの様に、小枝子は笑顔でスッと消えた。


私は自分の部屋に自分の身体を引き摺る様に上がると、ベッドの上に転がった。


徐々に弱まる頭痛…


佐知子…

私は佐知子に、あんなに殴られたんだ…


あの人が本当の父…
そういえば、毎晩の様に皿が割れて喧嘩を…



本来あるべき記憶の回路が、ついに繋がった。

それと同時に、大きい哀しみを背負った。



涙が止まらない――


これが、小枝子の私に対する復讐なの?


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