木曜日の朝――


いつもの様に、ダイニングに下りた。

「おはよう…」


いつもと同じ朝、いつもと同じ風景、いつもと同じ両親。

違う事は、記憶が操作された事を知ってしまった私の心…


「おはよう」

私は殆ど口を開く事もなく、家を出た。



この日、私は大学には行ったものの、ただ呆然と講義を聞いていた。


講義が終わると、私は約束通り茜さんを手伝う為に、ライブハウスに向かった。

私は空元気で茜さんに会うと、ファン会報の整理や雑用をした。


夕方、作業が一段落した所で茜さんに尋ねた。

「茜さん…
あの日、私は一体何を見たんですか?

あの1日の事を、どうしても思い出したいんです。


茜さん、あそこで何を見たんですか?」


茜さんは突然の事に驚いた表情をしたが、ゆっくりと口を開いた…


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