許せないって…


私は急いで、路地から這い出る様に来た道を引き返した。



カツン

カツン


行く手を遮る様に、矢が飛んでくる!!


矢をかい潜る様に低い姿勢で、路地の出口に辿り着いた。


一体、何がどうなっているのか…


路地を出て立ち上がり、ゆっくりと振り返るとそこに女性の影があった。


さ、小枝子…
小枝子なの?

その女性の影は、フッと消えた――



私は駅前通りに抜けると、暫くその場に立ち尽くした…


「順子…?
こんな所でボーとしてどうしたの?」

肩を叩かれ我に返った。

「涼子…何でもない。
涼子こそ何をしてるの?」


涼子は少し言葉に詰まりながら答えた。
「あ…うん。
ちょ、ちょっと用事があって…」


路地裏に?


その場で暫く雑談をして、私は涼子と別れた。


.